不登校やひきこもりの「甘え」が気になるあなたへ ― それは、愛着からのサインかもしれません

前回、不安の多くは「事実」ではなく「想像」から生まれる、というお話をしました。

今日は、もう一つ、親御さんを悩ませやすいテーマについてお話ししたいと思います。「甘え」についてです。

「これって、甘えなんじゃないか」という戸惑い

不登校のお子さんが、急に赤ちゃん返りしたように甘えてきたり、片時も離れたがらなかったり、逆に些細なことでイライラをぶつけてきたり。そんな姿を見て、こう感じたことはありませんか。

「これは甘えなんじゃないか」「甘やかしすぎたら、余計に動けなくなるんじゃないか」

厳しくすべきか、受け止めるべきか。どちらが正解か分からず、迷いながら毎日を過ごしている方も多いと思います。

「甘え」に見える行動の、もう一つの見方

心理学の世界には「愛着」という考え方があります。難しい言葉ですが、簡単に言うと「この人といれば安全だ」という、心の土台のようなものです。

子どもは、学校という慣れない環境で、日々たくさんの不安やストレスにさらされています。それが積み重なると、心の土台である「安全な場所」を、無意識に確かめたくなります。

そのときに出てくるのが、赤ちゃん返りのような甘え、そばを離れたがらない様子、時には八つ当たりのような態度です。これらは「わがまま」というより、「ここにいても大丈夫だと、確かめさせてほしい」という、子どもなりのサインであることが少なくありません。

「甘えさせる」と「甘やかす」は違う

ここで大事なのは、「甘えさせること」と「甘やかすこと」は、まったく別のものだということです。

その違いは、行動の見た目ではなく、「誰が主体になっているか」にあります。

子どもが今、必要としている気持ちに応じるのが、「甘えさせる」です。一方で、面倒だから、罪悪感があるから、あるいは親自身がそうしたいから、という親側の都合で動いてしまうのが、「甘やかす」です。

たとえ同じ行動(そばにいる、何かを買ってあげる、言うべきことを言わずに済ませる)であっても、それが子どもの気持ちに応えているのか、それとも親の都合で動いているのかで、意味はまったく変わってきます。

土台がしっかり満たされると、子どもは自分から少しずつ、外の世界に目を向け始めます。それは急かして起きることではなく、内側の安心が満ちたときに、自然と起きてくることです。

今日、できること

  1. 子どもの「甘え」に見える行動を1つ思い浮かべ、「この行動は、どんな気持ちから来ているんだろう」と、考えてみる
  2. 「甘やかしていいのかな」と迷ったときは、「これは子どもの気持ちに応じているのか、それとも自分の都合で動いているのか」を、自分に問いかけてみる

次回は、今日から実践できる、子どもへの関わり方の具体的な一言について、お話ししていきます。

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