〜親が自分を許すことが、子どもの安心につながる理由〜
お子さんが家にこもるようになったとき、
「私の育て方が悪かったのかな」
「あのとき、ああしていれば」
と、自分を責めてしまうことはありませんか。
その気持ちは、お子さんを大切に思っているからこそ生まれるものです。
責めてしまうのは、愛情があるからなんですよね。
でも今日は、その「自分を責める気持ち」が、
知らないうちに子どもの重荷になってしまうことがある、というお話をします。
読んでいて、ちくっとする部分があるかもしれません。
でもこれは、親御さんを責めるための話ではありません。
最後まで読んでもらえたら嬉しいです。
自分が言われる側だったら、どう感じる?
最近見た動画で、こんな問いかけがありました。
「自分のせいでごめんね」と親が思うことを、
もし自分が親にされる側だったら、どう感じますか?
私はこう思いました。
そんなことを言われても、
「そっちで何とかしてくれよ」と思うかもしれない。
「それはあなたの事情なんだから」と。
もちろん、それだけ親御さんが真剣に悩んできたということです。
ただ、「ごめんね」という言葉には、
「そんなことないよ」という子どもからの慰めを
引き出してしまう面もあるように思います。
言葉にしなくても、親がずっとその思いを胸に抱えたまま関わっていると、
その空気は、案外子どもに伝わっているものです。
親が自分を責めると、子どもは罪悪感を覚える
ジャーナリストの池上正樹さんのインタビュー記事に、
ひきこもりの子を持つ親は「自分のせいだ」と責めがちで、
だからこそ、子どもを何とか自立させようと躍起になってしまう、
という指摘がありました。
さらに、親が自分を責めて否定し、幸せを求めようとしないと、
子どもは罪悪感を覚えて、ますます追い詰められてしまう、とも書かれていました。
つまり、
親がつらそうにしている姿を見て、
子どもは「自分のせいで、親が苦しんでいる」と感じてしまうんです。
そうなると子どもは、二重にしんどくなります。
心配でたまらないから、つい手が出てしまう
そしてこれは、親が不安から
あれこれ干渉したり、口出しをしたりしているときも同じだと、
私は日頃から感じています。
そうしてしまうのは、
心配でたまらないからですよね。
それだけ必死に向き合ってきた証拠です。
ただ、そのとき子どもは、
親の願いや悩みを背負わされている状態になりがちです。
本来なら、自分自身の悩みのために時間を使えるはずなのに、
そこに集中することができません。
少しだけ手を緩めてみる。
口出しや見張るような関わりを、ほんの少し減らしてみる。
そうすると、子どもは親からの負担が軽くなって、
自分自身の悩みに向き合う余裕が生まれてきます。
親が「幸せになっていい」と許す
同じ記事の結びでは、
子どものためにも、まず親自身が幸せになることを許してほしい、
というメッセージが語られています。
「頑張りましょう」ではなく、「許してあげましょう」という言葉です。
「子どもがこんなに大変なのに、自分だけ楽しんでいいのかな」
という後ろめたさは、多くの親御さんが感じているものです。
その後ろめたさを否定せずに、
「それでも、幸せになっていいんですよ」と
そっと許可を出してくれている言葉だと感じました。
(出典:tayorini by LIFULL介護
「変わるひきこもり支援から8050問題を考える―『就労支援』よりも『生き方支援』を」)
過去の後悔より、「今できる応援」を
では、親は子どもにどう関わればいいのでしょうか。
子どもの立場になって考えてみると、
私だったらこう思います。
自分の不安や悩みに、子どもを巻き込まないで。
何かやりたいことができたとき、
言葉でもお金でもいいから、応援してほしい。
とはいえ、不安になるのは当然のことです。
だからこそ、まず親御さん自身が
安心できる場所や時間を持つことが大切です。
後悔や罪悪感は、過去に向かう気持ちです。
応援は、子どもの今と未来に向かう行動です。
親が後悔や囚われから少し離れられると、
その分のエネルギーを、子どもの応援に向けられるようになります。
自分を許す、小さな一歩から
自分を許すといっても、大きなことをする必要はありません。
- 今日の自分に「よく頑張ったね」と声をかける
- ほっとできる時間を、5分だけつくる
- 好きなお茶やお菓子を、ゆっくり味わう
先ほどの記事でも、悩みの多い日々の中で楽しみや生きがいを見つけたり、
自分を褒めてご褒美を与えたりすることが勧められていました。
そして、親の表情が生き生きしてくると、
子どもはそれを敏感に感じ取って、いい影響を受けていくそうです。
さいごに
「私のせいで」という気持ちは、
愛情の裏返しです。
そのこと自体は、悪いことではありません。
ただ、その気持ちを抱えたままだと、
お子さんとの関わりが、
後悔のほうに向いてしまうことがあります。
お子さんのために、
まず、あなた自身が楽になっていい。
幸せになっていい。
そう思えたとき、
お子さんへのまなざしも、ふっとやわらかくなっていくかもしれません。
今日、ご自身にどんな言葉をかけてあげたいですか?







