不登校・ひきこもりの子の居場所は、学校だけじゃない ― 知っておくだけで心が軽くなる話

前回、子どもへの声かけについて、「言わなくていいひとこと」というお話をしました。

今日は、少し肩の力を抜いて読んでいただけるテーマです。「居場所」についてお話ししたいと思います。不登校のお子さんだけでなく、外に出づらい、人と関わることに不安がある、というお子さんにも通じる内容です。

「外に出られない」は「他に道がない」ではない

不登校やひきこもりというと、つい「学校や外に出られていない」という一点に意識が向いてしまいがちです。

けれど、子どもにとっても、親であるあなたにとっても、居場所は学校や職場だけではありません。フリースクール、親の会、地域の居場所づくりの活動など、学校以外にも、子どもや家族を受け止めてくれる場所は、実はいろいろな形で存在しています。

知っているだけで、心の余白が変わる

こうした場所は、今すぐ利用するかどうかは別としても、「知っているだけ」で意味があります。

「もし今の状態が続いても、つながれる場所がある」と知っているのと、「このままでは、他に道がない」と思い込んでいるのとでは、同じ状況でも、心にかかる重さがまったく違います。

ちなみに、NPO法人登校拒否・不登校を考える全国ネットワークの調査では、不登校の子どもが主に過ごしている場所は、自宅が93%、フリースクールが25.3%(複数回答)となっています。多くのお子さんが、まずは家で過ごしていて、それがごく自然な段階です。だからこそ、「フリースクールに行かせなきゃ」と焦る必要はありません。子どもが「行ってみようかな」と思ったときに、すぐつなげられるように、親が知っておく。そのくらいの距離感で十分です。

選択肢を知っているということは、それだけで、追い詰められた気持ちを少し緩めてくれます。

フリースクールと、オンラインという選択肢

フリースクールは、学校とは違うペースや形で、子どもたちが過ごす場所です。勉強だけでなく、好きなことをして過ごしたり、同じような経験をしている子ども同士で自然に関わったりできる場でもあります。

ただ、ここで気をつけたいのは、「学校がダメなら、フリースクールに行かせよう」という発想です。行き先を変えただけで、根本的には何も解決していない対応になってしまうことがあります。

大事なのは、「学校に戻すための場所」として見るかどうかです。学校に戻すことをゴールに考えている間は、子どもは「行けていないあなたはダメだ」という視線に、形を変えて晒され続けることになります。フリースクールの多くは、学校に戻ることをゴールにしていません。行けていようと、行けていなかろうと、「今のあなたのままでいい」と感じられる、自分を肯定してもらえる場所です。

とはいえ、外に出て行くこと自体がまだ難しい段階のお子さんの方が、実際には多いものです。無理をして早く外に出そうとするよりも、まずは家庭で安心して過ごせる状態、心の回復を優先してあげてほしいと思います。

また、最近では、家から出なくても参加できる、オンラインの居場所という形もあります。外に出ること自体にまだ不安があるお子さんにとって、こうした選択肢があることも、知っておいて損はありません。

親自身のための居場所もある

そしてもう一つ、忘れてはいけないのが、親自身の居場所です。

子どもには子どもの悩みや課題があり、親には親の悩みや課題があります。同じように子どもの不登校やひきこもりと向き合っている親同士が集まる「親の会」は、まさにその「親自身のための居場所」です。親の中にある不安は、できるだけ親同士の場で解消しておく。子どもに向けないようにする。それが、実はとても大事なことです。

そこでは、「うちだけじゃなかったんだ」と思えたり、誰かに話を聞いてもらえるだけで、肩の荷が少し降りたりします。子どもの居場所を探すのと同じくらい、親自身の居場所を持っておくことも、実はとても大切なことです。

今日、できること

  1. 「フリースクール」「親の会」など、気になる言葉で少しだけ検索してみる(調べるだけでよく、今すぐ利用するかどうかは考えなくて大丈夫です)

次回は、学校以外の居場所について、お話ししていきます。

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