
子どもが引きこもりの状態になったら、多くの方はまさかうちの子が…、と混乱されます。
これを読まれている方も、そうだったかもしれませんし、今がその混乱の状況という方もおられるかもしれません。しかしこの混乱も少しずつ変化していきます。
親の会に毎月参加される方は、初期の混乱が落ち着いて、親の対応(寄り添い方)や、親自身の在り方に意識を向けてられている方が多いです。そんな場面でよく出てくる言葉、「待つ」について、改めて考えてみました。
『引きこもり状態の親の対応』で、親は何を「待つ」のか?
子どもが引きこもり状態になって、初期の混乱がおさまってくると、私たち親は「待つことが大切なんです」と言う情報によく出会います。
引きこもり状態の親の対応という場面で「待つ」とは、どんなイメージでしょうか?
・親が余計な手出し口出しをしないで我慢する。
・子どもに目に見える変化がなくても焦って急かすようなことをしない。
・子どもに働く様子が見えなくても何も言わない。
などが思い浮かぶかもしれません。
ご相談や親の会では、こんなお話もよく出てきます。
「引きこもり状態の子どもを、親はいつまで待てばいいの?」
「余計なことを言わないようにしよう、今は待つ時期なんだ。と思っても、つい言っちゃう。」
「待つって難しい。イライラするし、なかなか待てない…。」
早く動いて欲しい、この問題を解決してほしい。言いたいけど我慢しなきゃ。
そんな気持ちかも知れません。
「待つ」って一口に言っても、色々な意味に捉えられて、なかなか難しいですよね。
お話からなんとなく伝わってくるのは、子どもが動かないことを我慢してるけど難しい、という親の気持ちです。
仮に、子どもに働いてほしい、変わって欲しい、と思いながら待つとします。
これはつまり、今のあなたではなく、早く動いているあなたになって。
今のあなたではなく、早く変わって見せて。
と、今の子どもを変わらなければならないものと否定して見ていることになります。
気づかずにこれをやっていると、子どもは否定的なまなざしを感じ続けることになり、とてもつらい思いをします。外からは休んでいるように見えても心は休まらないのです。
まずは、今こうしていたいという本人の気持ちを受けとめ、親の感情をいったん横において、今の子どもの気持ちに寄り添うことが大切です。