愛情と恐れの子育て:子どもとの向き合い方

子どもが引きこもり状態になって、毎日が不安でいっぱい。「どうしてうちの子だけ」「このままどうなってしまうんだろう」——そんなふうに頭の中がぐるぐるし続けているお母さんへ。

実はこういうふうに考え込んでしまうお母さんは、とても頭のいい方が多いんです。だからこそ、思考がどんどん入ってくる。分析して、対策を考えて、また悩んで。一生懸命考えるほど、苦しくなっていく。

その苦しさ、すごくよくわかります。

「できるのに、やらない」って思っていませんか?

たとえば、こんな言葉が頭をよぎったことはありませんか?

「この子はやればできるのに」

「ちゃんと頑張れば、学校なんて行けるはず」

だって私なら、それができた。普通のことだと思っていたから。

その言葉の中に、「この子」ではなく「こうあってほしい子」の姿が映っていないでしょうか。

「やればできる子」というのは、目の前にいる子どもの今の姿ではなく、頭の中で描いた「理想の子ども像」かもしれません。

こんなに悩むのは、なぜだと思いますか?

たくさんのお母さんと話してきて、気づいたことがあります。

不登校の子を持つお母さんは、実は「とても優秀な人」が多いんです。

仕事でも評価されてきた。周囲からも頼りにされてきた。一生懸命考えて、子育ても全力でやってきた。

でも、その「一生懸命」の根っこを少し掘ってみると……

「こうならなければいけない」「こうしてあげなければいけない」という恐れが、ずっとそこにあったりするんです。

愛情から動いているのではなく、恐れから動いているかもしれない。

だから、どんなに頑張っても消耗するし、行き詰まってしまうんです。

その恐れは、どこから来たのでしょう?

少し、自分自身のことを思い出してみてください。

子どものころ、あなたはどんな子どもでしたか?

「良い子でいなければ」と感じていませんでしたか?

「できない自分はダメだ」と思っていませんでしたか?

裏を返せば、「できることは素晴らしい、優秀であることに価値がある」という信念でもあります。

この信念はポジティブなものとして持っているので、それ自体が子どもに影響しているとは気づきにくい。でも「できることは素晴らしい」の裏側には、必ず「できない自分はダメだ」があります。

多くの場合、親から悪意があったわけではありません。ただ、その環境の中で「こうでなければ自分には価値がない」という感覚が、静かに育っていったりするんです。

そしてそれが今、子育ての中に出てきている。

親がアイデンティティレベルで自分を否定していると、子どもはそれを映す

これは、私が長年お母さんたちと関わってきて感じてきた仮説です。

親が「自分はこういう存在だ」と無意識に信じているもの——それを子どもが体現していくことがある。

子どもをどうにかしようとする前に、まず自分の内側で何が起きているかを見ることが、根本的な変化につながるのではないかと思っています。

あなたを責めているのではありません

ここまで読んで、「じゃあ私がいけなかったの?」と感じたとしたら、それは違います。

あなたは精一杯やってきた。それは本当のことです。

ただ、ひとつだけ振り返ってみていただきたいことがあります。

愛情から動いてきたのか、それとも恐れを燃料にして走り続けてきたのか——そんな視点で、少し振り返ってみてください。

もし恐れを燃料にしてきたとしたら、走れば走るほどエネルギーが消耗していくのは当然のことです。どこまで行っても満たされず、自分自身をすり減らしていくことにもつながっていきます。

消耗してしまったのは、あなたが弱いからではありません。

まず、その疲れを誰かに話してみてください。

頑張ってきたことを、ちゃんと受け取ってもらう体験が、変化の入り口になります。

あなたが楽になれば、子どもも変わっていきます。

目の前にいる「この子」を、ただそのままで見られるようになったとき、何かが動き始めます。

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