
山形県で子どもの引きこもり状態に寄り添う親の会「さんろくまる」、Zoomで子どもが引きこもり状態であろうとなかろうと幸せに生きる親の会「オンライン360」を開いている、NLP子育てコーチ鈴木です。
子どもが引きこもりになった時、多くの親はどうすればいいのか、これからどこに向かっていけばいいんだろう、と悩むのではないでしょうか。そんな時「引きこもりのゴールは自立。」そうおっしゃる方は少なくありません。(私も思いました)この言葉は、なんとなくきれいにまとまって正しそうにも聞こえます。
さて、この言葉を口にする時、『自立』とは、いったい何を指しているでしょうか。
誰のために、どうなることだと考えているでしょうか。
引きこもり状態の子どもに寄り添う経験と、親の会で本音で話し合う中から感じたこと、コーチングの学びなどを手掛かりに、自立について考えていきたいと思います。
〇 目次
- 引きこもりを考えるときに必要な「ミクロな視点」と「マクロな視点」
- 引きこもりからの『自立』とは何か
- 引きこもりから自立はできるの? 自立への方法は?
- 引きこもりの子供に自立してほしい自分を客観的に見る
- 引きこもりを卒業して自立したいと言う子供が、なかなか動かないのはなぜ?
- 30代の引きこもりについて
- 引きこもりの人に考えられる精神疾患とは?
- 引きこもりの自立支援施設と就労支援機関について
- 引きこもりからの自立支援施設、支援団体とは?費用はどのぐらい?
- 大人の引きこもりに対応する自立支援施設、支援団体は?
- 親が支えられなくなったらと不安。引きこもりで生活保護を受けられる?
- 引きこもり等の「生活困窮者自立支援制度」について
引きこもりを考えるときに必要な「ミクロな視点」と「マクロな視点」

引きこもりについて考えるときに、まず私たちが親として知っておきたい重要なことは、引きこもり状態になっているのは、子どものせいだけではないことです。引きこもり状態の方は、推計200万人以上とも言われています。個人の理由だけでこれほどの人口になるとは考えにくいです。親は様々な理由から不安や苛立ちなどの感情があるかもしれませんが、それは親の問題で子どもを責めるのは間違いだという事を知っておくと、不必要に子どもを責めないために役に立ちます。
引きこもりについて考える時、私たちは、「ミクロな視点」と「マクロな視点」このふたつの視点を持ちながら、対応していくことが大切です。精神科医の斎藤環先生のお話から学んだことをご紹介します。関心のある方は、参考動画のリンクを貼っておきますので ぜひご覧になってみてください。
多摩市公式チャンネル「ひきこもりについて考えるきっかけとして、ご視聴ください。」
参考動画:なぜ人はひきこもりになるのか~「会話」ではなく「対話」という考え方~
筑波大学医学医療系社会精神保健学教授斎藤環氏 児童青少年課
https://www.youtube.com/watch?v=92uMsr2hWiU
①「ミクロな視点」
個人の適応や心の問題という視点。偏ると、自己責任論等の偏った考えや本人や家庭以外の要因が軽視される恐れがあります。
②「マクロな視点」
社会的排除という視点。引きこもりは、支援や制度の手が届いていなかった『はざま』に生じやすいものです。偏ると、強制主義的な対応になるのだそうです。
支援・制度のはざまについて、厚生労働省の資料がありましたので、関心のある方は以下のリンクからサイトを訪れてみてください。

参考:ひきこもり支援の推進について|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/12602000/000953320.pdf
引きこもりからの『自立』とは何か

あなたにとっての自立とは何ですか?
かつて私は、『経済的に自分でやっていけること』だと思っていました。そのため、とにかく子どもに働いてもらわなければならない、という思考パターンになっていました。ひとりで、頭の中で考えるだけだった時の話です。でもほかの方と話してみると、自立についての考えはそれぞれ違っていたんです。
どんな違いがあったかというと、例えばひとり暮らしをすること、就職すること、生活に必要なこと(料理洗濯など)が出来ること、心の自立、自分は何者かが確立すること、人に助けてと言えること…、など様々な考え方があると知りました。
日本では、「人に迷惑をかけないで生きなさい」と教わることが多いですが、インドでは「あなたは人に迷惑をかけて生きているのだから、人のことも許してあげなさい」と教わることが多いのだそうです。
今、人との関わりが希薄になっている中で、「人に迷惑をかけない」生き方を選ぶと、たまたま不運が重なった時には、孤立した人生になってしまうかもしれません。人は一人では生きられません。いつでも思い通りの人生でもありません。だからこそ、引きこもりからの自立について考えるとき、親亡き後も生きていくために『人に助けてと言えること』は、とても大切だと感じています。
自立とは、自分を認め、自分の人生を自分で生きることです。自分はどう生きるのが心地良いのか、自分で感じ考えて選択する。そのために必要だけど苦手なことがあったら、人に助けてもらう。そして自分も誰かの役に立ちながら生きること。そういうことだと私は思います。
引きこもりから自立はできるの? 自立への方法は?

家の中で引きこもり状態の子どもを見ていて、ここから自立はできるのだろうか、と不安や心配な気持ちになるのは親の会でも感じます。それは親として自然なことだと思います。
まず、自立出来るかどうかと言えば、近頃はインターネットで「引きこもり経験者」と検索すれば、かつて引きこもり状態を経験された方の情報が豊富にあります。ここには出来るという事実があります。
悩みの渦中にいるときは、画面で見る経験者とされる方の笑顔は、まぶしくて、別世界のことのように感じるかもしれません(当時の私だけ?)そういうものは、単に「思い込み」のしわざです。事実は、引きこもりを経験した。それが力や強みになった。自立した。それだけです。引きこもりは悪いことではありません。
我が子を引きこもりから自立させるにはどうすればいいのか、親の会に参加される方もこれを求めて来られる方が少なくありません。私もそうだったので、肌で感じます。ところが参加者の方の色々な考え、体験を聞くうちに、実際は自立させる王道も正解もないということが皆さん分かってくるんです。
昭和の時代の答えありきの型で学んできた私たち親世代。答えがない。どうすればいいか分からない。正解は?今の時代に合ったスピード感のある親切な解決方法はないの?といった戸惑いを感じたり、途方にくれるかもしれません。
恐らく、誰もが正解だと思えるような方法はないのだと思います。なぜなら、ひとりひとり歩んできた人生と望む人生が違うからです。自立は自分の人生の途中にあります。仮に正解なるものがあるとすれば、本人や、自分たち親子にとっての正解です。更に言うならば、正解かどうかを決めるのは自分自身です。
私たち親世代が学校で学んできたスタイルでは、学習には答えが、進学就職には評価判定のポイントのような自分以外の人間が決めた基準が存在していましたが、ここではほぼ無意味です。
子どもの自立を願う私たちが、まずやれることは、この子に自分でやる力があることを信じて、肯定的なまなざしで見守ることです。
親が探してきて選択した自立させる方法をとることよりも、本人が自分自身を取り戻し、自分の意思で自立に向かおうと思うような環境づくりをすること。これがそばにいる私たちが、初めに出来ることです。自立するのは本人です。もし、親による強制などで、させられた自立(のように見える様子)であれば、とても表面的なもので儚いものであり、本人の気持ちを踏みにじるような行動でもあります。
引きこもりから自立への方法は、まず、本人が自立に向えるような環境づくりをすること。家庭を安心できる居場所にすることです。これをベースに、段階に合わせて出来ることは変化していきます。
リンク:引きこもりの時、親の対応はどうすればいい?原因は?自立はできる?
引きこもりの子どもに自立してほしい自分を、客観的に見る

私たちは、『何よりも、本人が一番困っている』という事を知っています。と同時に、知っているはずでも不安過ぎて見えなくなることもあります。子育て以外の役割も複数担っており、親も様々な事情から、子どものこと以外にも親自身の辛い思いを抱えている場合が多いのではないでしょうか。
例えばこんなことはありませんか?
子どもが就学就労していない状態を悪いことだと思っている。
苦しそうに見える子どもを見ているのが辛い。
同級生と比べて劣っていると思い、ザワザワする。
現状を受け入れられない。
私は苦しくてもがんばってきた。子どもだってがんばれば出来るはずだ。
引きこもり状態では親としての自分を周りに責められる、蔑視される。
理想としていた我が子像と違いすぎる。
このままでは将来絶望だと、極端な思い込みをしている。
などはほんの一部で、様々な思いがあると思います。
大事なことは、これらは親の事情だという事です。もしもこのような理由で、子どもを自立させようとしているとしたら、立ち止まる必要があります。我が子に対して、「私はこんなに大変なんだぞ!あなたが何とかして!私を助けてよ!」と我が子よりも子どもの立場で欲求をぶつけているようなものだからです。大人の役割を求められる子どもは大変です。
逆に、小さい子どもの頃のように、なんでも口出ししすぎてしまう場合もあります。親が先回りをして自立への道を考え決めつけたり、誘導していないか、客観的な視点を持つことも大切です。私も時々、「今の自分は大丈夫かな?」と振り返るように心がけています。
自立のタイミングを決めるのも、やるかどうか決めるのも本人です。世の中にはいろんなタイプの親がいます。子どもが存分に悩み、自分で決断できるようになるのを、どっしりと構えて待つ親タイプもあれば、まだかまだかと押したり引っ張ったり親の都合で邪魔してしまう親タイプもあります。人それぞれです。あなたの場合は?客観的に見るとどんな親タイプですか?
リンク:いつまで引きこもりが続くのか分からなくて不安。親はどうすればいい?
リンク:引きこもり/親の対応は「方法」よりも「負のループから抜ける」ことから
引きこもりを卒業して自立したいと言う子供が、なかなか動かないのはなぜ?

本人が、引きこもりから自立したい、或いは働きたい、学校などに行きたい、と言うとき、私たち親は冷静に聴くことが大切です。
親が自分の願いを主軸に子どもと関わっている時は、親の都合のいいように聴き取ってしまうことが多いからです。私たちは、よくよく気を付ける必要があります。
なぜ気をつけるかというと、親のためや、子どもの中の自分を責める気持ちだったり、自分に圧をかけることから出た言葉の可能性があるからです。その場合は自分の心に蓋をして一生懸命無理をしている状態です。心は回復どころか疲弊していきます。
自分と息子の経験から感じるのは、やらなければならないという動機で行動するとき、エネルギーは消耗していき、やりたいという動機で行動するときエネルギーは湧いてくるという事です。エネルギーが枯渇したような状態になって引きこもらざるを得なかった子どもは、これまでも自分の心に蓋をして一生懸命無理をしてきたのかもしれません。
自分の中から出てきた本当の意欲が根底にあるのか、自分の心に蓋をして無理をしているのか、日頃から本人をよく見て、話をよく聞いていると何かしら伝わってくるものがあるはずです。
日常的に親に本音を受けとめてもらった経験があまりない子どもは、本音を言わないか、親の期待に応えるような返事を選んでするかもしれません。そのような過程から出てきた言葉「自立したい」であれば、相当頑張らなければならないので、なかなか動けないことが想像できます。
つまり、「ねばならない」で行動しようとしても、なかなか動けないことがあるという事です。
どんな場合でも、どんな事情でも、子どもの言葉は大切に受け取ります。自分の言葉を伝えてくれたことの価値は変わりありません。親目線での「出来る出来ない」「喜び不安」といった事情は持ち込まないで、そのままの子どもを受けとめます。身近にいる私たちだから、いつ来るか分からない機会に、このようにありのままを受けとめたり、出来る限りのサポートをしていくことが出来ます。
すでにご存じと思いますが、多くの場合引きこもりから自立したいと言葉にしたからと言って、すんなり出来るような簡単なことではありません。それでもやろうとする意志が芽生えているという事です。そこにある希望や、出来ていることに目を向けましょう。時間がかかっても、今出来ることからひとつひとつやっていきます。
長い道のりだと感じるかもしれません。しかし学校に行ったら誰かがこれをやってくれるでしょうか。仕事に就いたら職場の誰かがこれをやってくれるでしょうか。
就労就学に一喜一憂するよりも、私たちは家庭で子どもがどうしたいかを聴いて、そのサポートをする。それが、寄り添うこと見守ることになっていくと私は思います。
子どもが自立したいと言っている時、大切なことは、親の事情や焦りは持ち込まないで、まずはそのままの子どもを受けとめることです。
リンク:引きこもりを見守る親の会で、親が安心したり、親の対応の方法が変化する
30代の引きこもりについて

30代では、厚生労働省によるニートが34歳までとされ、35歳以上のニートの呼び方は「中年無業者」又は「中年ニート」となるようです。就職に関しての情報サイトを見ても20代とは違って厳しいなどと書かれているものが多く目につきます。同年代と比べたり、就職や正社員をゴールと考えている場合は特に、焦りを感じたり、気になることが多い年代かもしれません。
厚生労働省によるニート(若年無業者)の定義は「家事・通学・就業をせず、職業訓練も受けていない15~34歳」とされています。内閣府では「15~39歳」とされています。日本のニート人口は74万人。ニートと引きこもりの境界は曖昧です。ここからは、ニートも含めて考えていきます。
引きこもり状態の方は、推計200万人以上とも言われています。ニートであり、引きこもりという方も含まれます。なぜこのように増え続けるのかというと、引きこもりの人口は毎年新たに増えているのに、抜け出していく人が極端に少ないからです。
Yahoo記事「2020年時点で87万人…「ニート」数の推移と現状をさぐる」を参考に見ると、30代、40代で突然引きこもりになりましたというより、もっと前に引きこもり状態になってそのまま30代になった方が多いことが見えてきます。
何もしないという事は、何も変わらず現状維持です。今まで、世の中の「こうすればいいらしい」と言われることは大抵の方がやってこられたのではないでしょうか。それで変わらなかったとしたら、方法が違ったという事です。世の中の引きこもりが長期化しているという事は、多くの方が良かれと思ってやってきたことは、子どもにとっては良いことではなかったという事です。
世の中があまりにも急速に変化したため、親世代の「当たり前」と子供世代の「当たり前」にもギャップがあります。近道や正解はないかもしれませんが、可能性のあることを探しながら、あきらめずに関わっていくことが、子どもの年代にかかわらず私たち大人に出来ることだと考えます。
参考:2020年時点で87万人…「ニート」数の推移と現状をさぐる(2021年公開版)
https://news.yahoo.co.jp/byline/fuwaraizo/20210404-00229506
多摩市公式チャンネル「ひきこもりについて考えるきっかけとして、ご視聴ください。」
参考動画:なぜ人はひきこもりになるのか~「会話」ではなく「対話」という考え方~
筑波大学医学医療系社会精神保健学教授斎藤環氏 児童青少年課
https://www.youtube.com/watch?v=92uMsr2hWiU
引きこもりの人に考えられる精神疾患とは?

「引きこもり」 は病名ではなく、 症状、 状態を表す言葉です。引きこもり状態=精神疾患ではありません。
本人にとって 「安心・安全な環境」 や、 「信頼できる人の存在」 があれば、 エネルギーはだんだん回復していきます。エネルギーが回復していくと、 本音を話せるようになったり、行動する意欲の芽が出てきます。
反対に、 「安心して過ごせない環境」 や 「理解してくれる人がいない環境」 にいる場合、 エネルギーの回復が難しく不安な状態が継続します。長期にわたる「引きこもり」生活に伴って、二次的に精神症状が生じる場合もあります。
初めは、ストレスを避け自分を守るために引きこもり状態になったとしても、長く続けることで、少しずつ神経の疲れがたまることがあります。何日も眠れない、ネガティブなことばかり考えて希望が持てない、無気力で何をするのもおっくう、等の状態がある時は、治療を受けることで楽になることも多いそうです。(参考:ひきこもりにみられる症状と対応(愛知県))また、病気や発達の障がいが、ひきこもりの主な原因になっていることがあります。
引きこもりの方に多くみられる精神疾患には次のようなものがあります。
《 統合失調症 》妄想や幻聴・幻覚などや、周囲に敏感になっている様子があります。また、独り言を言ったり、まとまりのない話し方などもあります。
《 うつ病 》ストレスなどが重なり、強いうつ状態が長く続く状態のことを言います。気分障害の一種とされています。
《 強迫性障害 》ある考えやイメージが勝手に浮かんで離れなくなる(強迫観念)、頻回な手洗い、何度も繰り返し確認する(強迫行為)があります。
《 パニック障害 》動悸やめまい、発汗、窒息感、吐き気、手足の震えといった発作があり、そのために生活に支障が出ている状態です。
このような症状が見られる時や、精神疾患ではないかと思われる場合は、 早めに精神科を受診されることをお勧めします。
参考:ひきこもりにみられる症状と対応(愛知県)
https://www.pref.aichi.jp/soshiki/seishin-c/hikikomori2.html
引きこもりの自立支援施設と就労支援機関について

引きこもり状態を長期化させないためには、家族だけで抱え込まずに相談できる場所へ行ってみることも大事です。地域にはひきこもり支援センターがあります。地域によって差がありますので、もし疑問を感じるようなことや、家とは合わないなと感じた時などは、他の相談先の情報を得るために、地域の親の会に行かれるのもお勧めです。
「自立支援」として、何をイメージしているのかは、誰もが同じではありません。
引きこもりからの脱出、目指すべきGOALとして、就労や就学、復学などを思い浮かべる方は少なくないと思います。就労就学していることが良いことだと信じているからかもしれないし、表面的、対外的にも分かりやすい変化だと思うからかもしれません。
本人から出てきた望む人生像があって、その道の途中としての就労、就学であれば、出来る限りのサポートをしたいですね。しかしそうではなく、親の考えや判断だけで、就労就学に向けてサポートを受けられる施設に誘導するのは、「ねばならない」で人生を生きることを子どもに求めることになってしまう可能性があります。引きこもりになる前の生き方を、また歩み、繰り返しになる場合もあります。近い将来に上手くいかなかった場面がやって来たとき、自分で決めたことは踏ん張りがききますが、親の言うとおりにやったことは、本当はやりたくなかったなど親を責める気持ちがわいてくる場合も多いです。
まずは自立に向かえるような心の状態になっているかどうか。本人の準備が整っているのかが大切です。そこを無視してしまって動いてもらおうとするのは、周りの都合を優先しているということです。本人はまだ心を回復させるために必要な時間を過ごしているのかもしれません。動けない時は動けません。
また、本人の希望で歩み出した時でも、精神的なサポートは重要です。長い間やってこなかった大きなチャレンジをする時、私たちが体験したことのない恐怖やプレッシャーを抱えていることは容易に想像できます。仮に、恐怖の中にいるときに「自分で言ったことは責任をもってやりなさい」などどいわれたら、私なら人生を生きる道を見失ってしまうかもしれません。思うように進めないときでも、行動したことや勇気を認め、「言えたことが凄い。」「ここでやめても大丈夫。」「焦る必要は何もない。」など、時間をかけて歩んでいけるようなサポートが家庭にあることで、本人が安心感を得て、また進む勇気に繋がります。
自立支援施設につながったとしても、行き届いた精神的サポートまではない可能性があります。寄り添う私たちは、何度でも行きつ戻りつしても大丈夫と子どもに伝え、やろうとしていることの素晴らしさを認め伝え続けること、どんな状況でも安心して戻り自分を癒せるよう安心できる居場所を作り続けることが大切です。
全国のひきこもり支援機関 (厚生労働省)
https://hikikomori-voice-station.mhlw.go.jp/support/
ひきこもり支援センターは、年齢制限はありません。ひきこもり支援コーディネーター(社会福祉士、精神保健福祉士、臨床心理士等の資格を有する)が、ひきこもりの状態にある方やその家族へ相談支援を行うところです。相談者に合った機関につないでくれる役割もあります。
引きこもりVOICE STATION (厚生労働省)
https://hikikomori-voice-station.mhlw.go.jp/
当事者や経験者、家族や支援者の今の声を知ることが出来るコミュニティサイトです。色々な声を聞いたり知ることで、視野が広がる、捉え方が変わるなどのきっかけになります。
地域若者サポートステーション(サポステ)
https://saposute-net.mhlw.go.jp/
全国の地域若者サポートステーション(通称サポステ)は、15歳~49歳までの方が対象です。「働き出す力」を引き出し、 職場定着するまで全面的にバックアップする厚生労働省委託の支援機関となっています。
リンク:
引きこもりからの自立支援施設、支援団体とは?費用はどのぐらい?

親子の信頼関係や、家庭が安心できる居場所であることは大切です。とはいえ、ご家庭の数だけ事情があると思います。施設の力を借りることが最善という場合には、本人の気持ちを第一に、実際に運営されている方と会い、信頼できることを確かめてご検討されるのが良いと思います。
費用などの参考のためにいくつかのサイトをご紹介します。ウェブサイトを見ただけですので、実際の詳しい情報は存じ上げておりません。詳細は直接お尋ねください。検索した中から写真と文章のイメージで選びました。
▢【岡山県】若者支援シェアハウス『人おこし』
https://hito.sanson.asia/
2012年、母体となる地域活性化を目指した「山村シェアハウス」を立ち上げ
人おこしシェアハウス 入居 ¥128000/月(税別)その他入居時費用あり
▢【富山県】Peaceful House はぐれ雲
https://www.haguregumo.jp/
1984年に「青少年創・生連絡協議会」設立。現在「共同生活型自立支援機構」
基本生活費1ヶ月 154,000円(小学生割引あり)入会金、設備費その他あり
▢【北海道・沖縄県】耕せにっぽん
https://www.tagayase.com/
2005年~?実質負担月額約150,000円〜/月(税別) 入会金あり
▢【長崎県】「一般社団法人この道」101カレッジ
https://101college.org/
生活費80,000円/月 対象2021年入学時点で25歳以下
大人の引きこもりに対応する自立支援施設、支援団体は?

家族での対応がどうしても難しいという場合、参考のために、大人の引きこもりに対応という文言のある支援施設の中から以下のサイトをご紹介します。
ウェブサイトを見ただけですので、実際の詳しい情報は存じ上げておりません。詳細は直接お尋ねください。
ご検討の際は、本人の気持ちを第一に、実際に運営されている方と会い、信頼できることを確かめて検討されますことを、私のようなものが差し出がましいとは存じますが、ご本人のために付け加えさせて下さい。
【東京都】株式会社学研エル・スタッフィング『WILL学園』
https://www.willschool.net/otona/
社会参加・社会復帰支援コースは東京・神奈川・埼玉・千葉のみ
【千葉県】特定非営利活動法人 ニュースタート事務局
https://www.newstart-jimu.com/
入寮準備金300,000円+1ヶ月220,000円
親が支えられなくなったらと不安。引きこもりで生活保護を受けられる?

事情があって引きこもっている場合、受給することはできますが、以下の4つの条件を全て満たす必要があります。
①世帯主であること
実家に住んでいる場合は、生活保護は受けられません。実家が裕福で同居や親からの支援が可能とみなされた場合も条件を満たしていないと判断されます。
②資産が無いこと
世帯収入が最低生活費未満であることが条件です。現金の場合は10万円以上持っていれば資産があるとみなされます。返戻金のある保険や不動産、車なども対象です。
③援助してくれる親族がいないこと
家族からの経済的支援がないことも条件になります。
➃働けない状態であること
働く意思はあっても仕事ができない状態と判断されたときに生活保護の条件を満たすことになります。
引きこもり等の「生活困窮者自立支援制度」について

生活困窮者自立支援制度とは、平成27年4月に施行された、社会保障制度の一つです。
働きたくても働けないなど、何らかの理由で自立した生活を送れない人を支援するための制度です。従来はその役割を「生活保護」という制度が担っていました。現在は生活保護だけでは全てを支援することが難しいという状況があり、この生活困窮者自立支援制度が成立されました。
厚生労働省の公式資料(厚生労働省『生活困窮者自立支援制度 >制度の紹介』)によると、生活困窮者自立支援制度を利用すると以下のサービスを受けることが出来ます。
- 自立相談支援事業
- 住居確保給付金の支給
- 就労準備支援事業
- 家計相談支援事業
- 就労訓練事業
- 生活困窮世帯の子どもの学習支援
- 一時生活支援事業
生活困窮者自立支援制度を利用できる、利用対象者
「生活困窮者自立支援制度は現在生活保護を受給していないが、生活保護に至る可能性のある者で、自立が見込まれる者」が対象とされています(厚生労働省『生活困窮者自立支援法について』)。
参考:【いろはにかいご】株式会社ウィルオブ・ワーク
ひきこもり等の「生活困窮者自立支援制度」とは|対象者や問題点など
https://1682-kaigo.jp/money/001061/
参考:厚生労働省『生活困窮者自立支援制度 >制度の紹介』
参考:厚生労働省『生活困窮者自立支援法について』